「不動産の売買契約」・・・。これは、ほとんどの方にとって「不動産購入」という「人生で一番大きなお買物」の第一歩となる入口です。慎重になって当然ですし、不安もあるかと思います。私どもの稚拙な文章をお読み頂くことで、その入口に立とうとしているお客様の少しでも道先案内の助けができれば幸いです。
本文章はあくまでも弊社が行っている売買契約の段取りを元に作成しています。他社様のご契約の段取りと若干の違いがある場合がございますので、予めご承知おきください
ご契約前に・・・。 お客様が吟味され、「ここに住もう」とお考えになった物件。きっと希望に溢れたとても良い物件だと思います。しかし、よほど資金が豊富でない限り、「不動産の取得」までにはいくつかのステップを踏まなくてはなりません。
この欄では、特に一般的な居住用の住宅取得までの流れを大まかにご説明させて頂きますが、「不動産の取得」には物件の価格以外にも諸費用として多額な費用が必要となりますので、その費用もきちんと予算に入れてお考えになることをお勧めします。「ご契約後」に諸費用が捻出できず諦めなくてはならないなんて悲しすぎますよね。

最低限お客様に把握して頂きたいことは、
 1.住宅ローンの支払いは大丈夫か
 2.諸費用はどのくらいかかるのか
 3.お引っ越し費用はどのくらいかかるのか

お引っ越し費用を除いては、ご仲介業者様等の不動産業者にお尋ねすれば説明してもらえます。住宅ローンについても事前に金融機関に問い合わせすると、詳しく説明して頂けますので、より良い計画を立てやすくなります。また、ご契約後には必要書類など、お客様にご用意頂くものが沢山出てきます。と同時にお客様ご自身にも動いて頂かなくてはならないこともございますので、事前に予定表等をご自身で作成しておくことも大切です。
「売買契約」 売主との条件交渉も調い、晴れて「売買契約」となります。お客様にとってはこの契約内容はとても大切です。なぜなら、ご契約にはその物件の「全て」が記載されているからです。「重要事項の説明」「契約条項」どれをとってもおろそかにはできません。最近のご契約にはとても長い時間がかかりますが、集中を切らさずに少しでもわからない点はどんどん質問してください。不動産業者の私がこんな事を書いて良いか判りませんが、契約書は大体、小難しい言葉が並べられています。あと、私もよく経験しますが「契約が難しい」と感じているお客様の中に、不動産に詳しそうな方を同席させる方がいらっしゃいます。私どもは一向にかまわないのですが、どうしてもその方のご質問にお答えすることが多くなってしまいます。そうしている内に、お客様が本当に知りたいことを、実は「質問ができない」ということがあるようです。後日、別件でお客様とお打ち合わせしているときに「実は契約の時に聞きたかったんだけど、ooさんが色々聞いてくれていたから、こんな初歩的な事聞くのはどうかと思ってさ・・・・」なんて事にならぬよう、「ご自分で理解する」ことを忘れずに・・・。

 全てが重要な売買契約ですが、その中でも特に、これだけは抑えておかなくてはならない事があります。
1.ライフラインの設備状況
 一般住宅を購入する際には電気・ガス・水道・排水の状況は必ず確認してください。特に、水道・排水関係には引込費用等の名目で、別途費用がかかる場合があります。また、現在浄化槽地域でも、近い将来本下水を敷設する計画がある場合、本下水に接続する際に負担金が発生することもありますので、必ず確認されることをお勧めします。

2.金融機関借入申込に関する猶予期間
 「ローン条項」と我々業者はいいますが、ほとんどの方は、不動産を購入する際、金融機関に住宅ローンの申込をされると思います。万一、この申込が不調に終わったときに、設定期間内であれば、売買契約を白紙に戻してご契約時支払った「手付金等」を買主に返還する内容が契約書に盛り込まれているはずです。この期間をきちんと把握または事前に相談されることは重要です。この期間の設定は、不動産業者や借入予定の金融機関に聞いて、余裕ある設定を心がけてください。意外と申込必要書類が多いのでそれを取るのに手間取ることがあります。設定期間を過ぎると金融機関のローン不調を理由に契約の白紙解除はできなくなってしまいます。

3.解約に関する違約金の設定
 誰も「解約したい」なんて思って契約する方はいませんが、上記のローン申込の場合以外にも不測の事態で解約しなければならないことが発生する場合も考えられます。その際、場合によっては「違約金」が発生することがありますので、その設定期日も理解してください。主なものは「手付解除」「違約に依る解除」です。この期日は「重要事項説明」や契約書に記載されているはずです。不本意にも契約解除になって、なおかつお金がかかるなんて、悲しすぎます。

4.建物の現状や保証内容・瑕疵担保責任保険
 不動産業者が売主となる新築住宅には瑕疵担保責任保険を付保してお渡しすることとなりました。(弊社の分譲住宅もそうです)、これはとても大切です。建築したビルダーが永遠に存在するとは限りません。(できればそうありたいと弊社は願っていますが・・・)この不透明な経済状況では来年のことさえ判らないでしょう。万一、不具合や瑕疵が発生したときに売主が存在しないこととなったら・・・。考えただけでもおそろしいことです。